全療協ニュースを読む(1)


国立ハンセン病療養所の全国組織に「全療協(ぜんりょうきょう)」と呼ばれる団体がある。正式名称は「全国ハンセン病療養所 入所者協議会」といい、以前は全患協(ぜんかんきょう=全国ハンセン病患者協議会)という名前だったそうである。発足は1951年、改称されたのは1983年。ネット上には、こんなインタビュー記事も上がっている。

(全療協事務局長を2010年より務める、藤崎陸安さんのインタビュー)

その全療協が月に一度発行している新聞がある。新聞の名前は「全療協ニュース」。紙面づくりは上記の藤崎さんが中心になってやっていると聞いた。その紙面からハンセン病資料館問題に関する記事を抜粋して紹介する。今回紹介するのは2019年2月1日付・一面で紹介された記事で、タイトルは「資料館の主体性守る闘い」。要点は以下のとおり。

1)ハンセン病資料館は国立としてリニューアルした2年後の平成19(2007)年より、受託運営者を入札によって決めることとなった。初年度は日本科学技術振興財団(科技団)が落札、以来7年間は同財団が連続して落札。運営はほぼ正常であった。

2)平成28(2016)年3月末に突然、次年度の受託運営者が日本財団に決まったとの通告を受ける。まさに青天の霹靂であったため、厚労省を訪ねて担当課長に説明を求めるも、回答なし。「日本財団の受託には反対である」旨を伝える。

3)日本財団は2018年4月に突然、機構改編と大幅な人事異動を強行。資料館の中枢を担う学芸部を廃止し、事業部と管理部を新設とするもので、人事面では学芸部長を重監房資料館(草津)部長に、学芸課長を1人職場である資料管理課長に配置換えした。(*事実上の追放人事)

4)資料館運営の中心をあらたに担う事業部長、管理部長、事務局長の3名は学芸員資格をもっていない。専門的な知識を必要とする資料館の運営が可能であるか、きわめて疑問である。

5)学芸部を廃止して事業部を新設した意図を何度にもわたって質したものの、これについても回答なし。このままでは資料館としての使命や役割を果たせなくなると危惧している。

こうした問題は運営受託者の選出が入札でおこなわれていることの弊害であり、資料館の主体性を取りもどすためには、あらたな「入札によらない」選出方法が必要であるとしている。具体的には原稿の入札制度を廃止し、国の責任において直営方式に変更することをもとめる、広く国民に支持される資料館の運営が確立されることを要求する、としているが、これが今からおよそ14ヵ月前のこと。

その後、資料館内ではパワハラ、セクハラ、職場での排除などが起きていくわけで、先月(2020年3月)には学芸員2名の不当解雇も起きてしまったのである。〈つづく〉